2010年3月31日水曜日

興味深いお話(No.5)

当スクールの講師の一人、ムハマドはシリア出身です。
奥さんは高校の先生で、クエートに住まわれています。まだ新婚カップルなのに、年に2回ほどしか会えないのが気の毒です。
先週、久しぶりにクエートの奥様に会いに行ったムハマドとの会話です。
話題は「民主主義」まで及びました!

私)イラクはどうだった?

ムハマド)イラク? 私が行ってきたのは、クエートですよ!

私) アッ、そうだったよね!どうも、あの当たりの国々は紛らわしくて...
   で、クエートはどうだったの? 危険じゃなかった?


ムハマド)全く大丈夫でしたよ。近隣諸国との問題は相変わらず口論が絶えない状況ですが、
爆弾は飛んで来てませんから、平和な感じですよ。

私)そうなの?! それに比べたら、日本は平和だなと思うでしょう?

ムハマド)それが時々、日本は平和すぎて物足りない感じがするんですよ。

私)えー、そう?! 物足りない感じがするの! ムハマドはシリア出身だけど、確かレバノンと色々あるんでしょう?

ムハマド) そうです。元は同じ国だったんですけどね。

私)えー、同じひとつの国だったの?

ムハマド)そうですよ。でも、簡単に言うと、イギリスが中心になって、シリアを分離させて欧米型民主主義の国を作りたかったようなんです。
     でも、途中でうまく行かなくなったみたいです。


私)そうだったの。日本もアメリカが民主主義にしてくれたようなものよ。

ムハマド)それは知っていますが、日本は本当に民主主義の国なのですか?
     だって、50年も同じ政党が政権を握ってたんでしょう? とても民主主義とは思えませんよ。


私)他のある外国人からも、「日本は社会制民主主義だ」とか何とか、言われた事があるよ。
  自分で勝ち取ったのではなくて、プレゼントされたものだから、意識が薄いのは仕方ないよね。


ムハマド)そうですね。でも、シリアも一緒で、国の制度は民主主義だけど、日常レベルでは全然違います。だから、私も日本の状況は良く理解できますし、批判もできません...

2010年3月30日火曜日

立志式での生徒感想文




突然、分厚い封筒が送られて来た。


開封してみると、先日の「立志式」での私のトークに関する、生徒達の感想文であった。




自分のメッセージが、中学2年生にきちんと伝わったかどうか、あれからずーっと気になっていたので、


一気に読み上げてしまった。


自分の言葉が純粋な心にどう響き、どう残ったのか...


感想文を読んで、「私の伝えたい事をよくぞここまで汲んでくれた」と、逆にこちらから御礼を言いたくなってしまった。


120枚の紙は120人の未来への希望、夢、決意を載せて、私の手の中でずっしりと重く、しかし


躍動していた。



*感想文の例


「(略こうして学校にも行けて、怪我をした時は病院にも行けます。でも、バングラデシュの人達は、私の普通が普通ではなく、大変だと思いました。でも、先生が見せてくれた写真では、子供達がすごくいい出顔で笑ってました。どこの世界や国でも、笑顔は大事だと思いました。」

「外国、特にヨーロッパで日本の伝統文化が見直されていて、人気があると聞いてびっくりしました。送料3000円をかけて1000円の着物を日本から買っている、イギリス人女性は本当に私達の日本の着物が好きなんだなぁと思いました」

「これからの人生で自分達が外国へ行く機会も少しあるかと思います。その時に外国人の方が日本に詳しいと言う事がないように、日本の文化をもっと勉強した方が良いと思いました」

「先生が言われた、Your future is up to you.(あなたの未来はあなた次第)、Imagination(想像力), courage(勇気), Some mony(いくらかのお金),を頭の片隅に取っておいて、これからの人生で少しずつ思い出して頑張りたいと思います。」


2010年3月24日水曜日

興味深いお話(No.4)

今日はミゲル(アメリカ、マイアミ出身)が何やら興奮気味でした。
それもそのはず、歴史的な健康保険制度の法案が成立したのです。
ミゲルとの会話をちょっと紹介します。

ミゲル) 医療健康保険法案がやっと下院で可決しました。

私) 日本でも大きなニュースだったわよ。わずか7票の差だったんでしょう。
   歴史的な法案の成立ね!

ミゲル) えー、そうなんですよ。アメリカではその話題で持ち切りだそうです。

私) それで、保険制度の概要ってどんなの?

ミゲル) 従業員が50人を超える会社は、会社が保険料を負担するみたいです。

私) 日本では、従業員の数に関係なく、会社と従業員が折半だけれど、アメリカでは全額が会社負  担なの?

ミゲル) ちょっとそこまでは知りません。 でも、従業員が50人以下の所では、従業員が自分で保険 料を負担するのだそうです。そして、ある一定以下の低所得者は、全額を国が負担するのだそうです。

私) へー、そうなの。

ミゲル) でも、実施に向けて、これからが大変です。実際にフロリダや南、北キャロライナ州等の13週が、政府を訴えてるんですよ!

私) えっ、州が政府を訴えたの?
 
ミゲル) そうなんですよ。彼等の言い分は、「保険料を払うのか払わないのかの選択肢を与えるべきだ。強制するのは、国民の自由を奪うものだ」との事です。

私) そうなの!アメリカ人にとっては、社会主義的で民主主義に反する様にも思えるんでしょうね。

ミゲル)そうなんです。彼等には、その概念が理解できないんです。
     でも、僕は日本に来て、健康保険制度を実際使っているので、本当に素晴らしい事が解かります。自分だったら、アメリカに帰ったら2日以内に実施したい気持ちです。

私) いずれにしても、誰もが安心して医療を受けれるアメリカに、早くなって欲しいねー。

2010年3月16日火曜日

立志式

昨日はとても誉れ高い日を持つ事ができました。

隣の大津町のある中学から、「立志式で講演をお願いします」とのオファーをお受けし、有難く行って来たのです。

対象は中学2年生120人でした。14あるいは15歳になる記念の式だそうで、奈良時代から行われていた「元服」の儀式に習った式で、ここ10年来盛んに行われているそうです。

開校して約10年のこの中学校は、さすがに新しく、生徒達の制服もブレザー等のモダンな物でした。

第一部では、各生徒が皆の前で、「サッカーを頑張りたい」、「高校受験に合格したい」、「中体連で優勝したい」等、それぞれの目標を一口形式で発表し、それを皆で激励するといったものでした

これは、自分の目標を明確化するのに、とても良いと感じました。また、自分自身の中学生の時の事が思い出され、「ジ~ン」と胸に来た瞬間でもありました。

いよいよ、私の番が回って来ました。

充分な用意をして行ったものの、人前で話す時はいつも最初の数分が息苦しくなる癖があって、今回も 御多分にもれず大変な思いをしたスタートでした。

後では落ち着きましたが、自分の言いたい事がどれだけ伝わったかは?なのです。

でも、こんな素晴らしい機会を私の人生に与えてくださった神仏に、心より感謝した一日でした。


              生徒達も真剣に耳を傾けてくれました。

            この子達が社会人になる約8年後の日本はどうなってるのでしょう。
            きっとグローバル化が進み、「生まれた国で死ぬとは限らない」時代に
            なってるのでは。。。



バングラデシュのある学校の奨学金制度を発足するお手伝いに行った時の事、英語の持つポジティブな性質性、人生を切り開くためのパワフルな英語の言葉などを中心に話しました。

贈った言葉:
Your future is up to you . (あなたの未来はあなた次第)


そのための大事な要素:

Imagination, Courage, Some money  (想像力、勇気、いくらかのお金)


後の3つの言葉は尊敬する、チャップリンの言葉で、私自身にとっても重要なキーワードなのです。

最後に、生徒代表が私の話の感想を述べてくれましたが、

「日本人として、日本の伝統芸術や文化を学び、身に付け、外国へ紹介できるようにとの

お話がとても心に残りました...」等と言ってくれて、

自分としても重要なポイントの一つでしたので、大変嬉しく感じた瞬間でした。








2010年3月3日水曜日

興味深いお話(3)

フィリピン出身の新しい先生を雇う事になって、今日は彼女の第一回目のレッスンだった。
日本に住んで13年だそうで、その間ずっと英語を教えてきただけあって、なかなか教え方が上手い。
ボランティアで、熊本にいるフィリピン人の抱える問題解決のお手伝いもしているそうだ。
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ロエナ:「今日はこの授業の後、あるNPOの通訳のお手伝いに行くんです。」

私:「どんな事をするの?」

ロエナ:「あるフィリピン人の農業研修生が、そのNPOに保護されてるんです。」

私:「へぇ、一体どうしたの?」

ロエナ:「研修先から解雇されて、住む所もないし、収入もないんです。そこで働いている間も、
とても過酷な労働条件で辛かったみたいです。」

私:「だいたい幾ら位もらってたの?」

ロエナ:「月に10万円位だったそうです。でも、その給料は「ブローカー」に支払われるので、ブローカーが手数料を取った後の額が、その研修生に支払われていたんです。」

私:「いくら引かれていたの?」

ロエナ:「4万位だそうです。その研修生は、残りの6万の中から2万円をフィリピンンの家族に送金してたんです!それで、4万で生活しなければならなかったんですよ!辛かったみたいです。でも、フィリピンから来る研修生は、皆フィリピンに送金したいから働きに来てるんですよ。」

私:「本当に辛いよね!でも、部屋代とかは払わなくて良かったんでしょう?」

ロエナ:「払ってましたよ!食事から何から全て自己負担です!そして、契約内容と全然違って、一日に14時間位働かされていたみたいです。」

私:「それはひどいよね!だいたい、労働者なのに、研修生の名目でないと雇えないと言う法律も悪いよね。」

ロエナ:「まさにそうです!でも、この7月から法律が変わって、「労働者」として働きに来れるようになるみたいです」

私:「それは良かった!一歩前進だよね!」

ロエナ:「私もそう思います」
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この法律改正が、増え行く外国人労働者の環境改善に役立つ事を願うのみである。

興味深いお話(2)

今日は、ミゲル(私の英語スクールの講師で、キューバ系アメリカ人)を駅でピックアップして、スクールへ連れて行く間に話が弾み、話題はいつのまにか「税」となっていた。
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ミゲル:「3月は決算期ですか?」

私:「そうよ。でも私のビジネスは小さいし、自分で決算報告しているよ。」

ミゲル:「へえー!私はアメリカではサラリーマンだったけど、自分で申告しないといけないので、税理士に
      やってもらってました。自分では複雑すぎて、何も解かりません。アメリカでは、ほとんどのサラリーマンがそうしています。」

私:「そうだったの?日本ではサラリーマンは原則として給料天引きだから、自分で税申告は普通はしないのよ」

ミゲル:「それは、国にとってはとても便利ですね。」

私:「そうよね、取りこぼしがないものね。そして、この天引き制度の影響なのか、日本人は税の額にはとても関心があるけど、税がどのように使われているかには、関心が薄いと言われているよ。」

ミゲル:「本当!? アメリカ人は、税の使われ方にはとても関心がありますよ。何故かと言うと、例えば
熊本が県道をどこかに作る場合には、県民に「この事業は税金をOOO使います。これは全税収のOO%です。これに賛成か、反対かを書いて、この用紙を期日までにお出しください、と書いてある紙が
全世帯に配られるんです。」

私:「へー凄いねー!そうだったら、自然と税の使われ方にも感心が高まるよね!それで、Noの方が多かったら、その事業は中止になるの?」

ミゲル:「もちろんですよ! また、税の払い方で、戦争反対をしている市民グループもありますよ。」

私:「どういう事?」

ミゲル:「アメリカでは税収の40%が戦争に使われているんです。それで、自分の税額の40%を
自分で減らして納税するんです。もちろん、罰則はありますが、それにもめげずに戦争反対を、そのやり方で訴えている人達が増えています。」

私:「やはり、民主主義の行き渡った国民はパワフルね!」

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アメリカと比べ、日本はまだまだ「お上主導」だと感じてしまった。